そこに神はいない

梅雨の湿った足音がニチャニチャと聞こえて参ります昨今,皆様にはますますご健勝のことと存じます。大阪出張所の田坂でございます。

世の中には,「合コン」なるイベントがあるやに側聞いたしますところですが,奥手の地味キャラにて,無味無臭の学生時代を過ごした当職といたしましては,それはさながら,パラレルワールドでのSF的出来事のように思えます。

これは当職がまだ,奇跡を信じていたお年頃のみぎり,友人からきいた話しでございます。

彼女は,コンパの盛り上がりが徐々に「その次」へのステージチェンジを指向しはじめた頃合いで,向かいに座った男性の上着のそでに「ほつれ」が生じていることを発見し,「直してあげる」などと申し出て,存分に女子力アピールをした武勇伝を,嬉々として語ってくれたものでした。

実経験は乏しくとも,シミュレーションは十分に重ねていた当職といたしましては,上着を脱がせてからのお楽しみこそ,大人の醍醐味である旨,承知しておりましたもので,それからのハーレクイン展開を生唾を飲み込みながら期待を致しておりました。

しかしどうでしょう。

彼女が言うには,「そのままでいいから,そで,こっちに出して」などと甘い声でささやいた,とのことではありませんか。

諸君!戦争は,書籍の中の出来事ではない!

女神の微笑みをたたえ,そっと差し出された袖に,近づく二人の距離。

彼女のたおやかな所作。

やがて,

パチン,パチンとホチキスで留められていく「そで」。

「これがそのときのホチキスでな,服にはいちばん向いてるから,まだ使ってるねん。」だそうでございます。

堕天した神に悪意はなく,ただかくにようにして,ホチキスを打ち鳴らすのでありました。

以上,取り急ぎ,失礼いたします。

微妙

お世話になっております、大阪出張所の田坂でございます。

新年度もいよいよ本格的に進み始めました今日このごろ、皆さま、意気揚々とハートのコスモを燃え上がらせておいでですか?
当職ぐらいのお年頃になりますと、まるでいくらひねっても火がともらない、カセットコンロのようにしけってしまいますので、暑苦しいぐらいの勢いがあるうちに、存分にチャレンジを続けてみてください。将来それが、皆さまのオンリーワンなヒストリーとなるのです。ほんのり薄黒い。

さて、皆さまにおかれましては、消費税8%にも、すっかり飼い慣らされておいでのことと存じます。

しかしながら当職のように、これまで300円ギリギリで昼食を調達していた身としては、少々の値上げが、おつゆ一杯を左右する大問題でございます。

ニッケル製の貨幣3枚で済んでいたところへ、追加して銅の貨幣を1枚追加せねばならない微妙な懐の痛み、ご理解頂けますでしょうか。

当職は4月1日以来、メニューを刷新して、サラダとヨーグルトを頂戴しておりますところ、おかげさまでDHC関係の商品が気になるメンタルとなってまいりました。

願わくば、300円以内で、もっとワイルドな食事をとることができるメニューを、ご教示頂ければ幸いです。

以上、取り急ぎ失礼いたします。

いいそーぐわちでーびる

新年、あけましておめでとうございます。大阪出張所の田坂でございます。

旧年中は、大変お世話になり、誠にありがとうございました。

おかげさまで、人並みの年越しをさせて頂き、イエーガーコールの後、ビデオで48グループの各振り付けもマスターするなど、実に有意義かつおだやかに年末を過ごすことができました。

明けて元日、当職は急な仕事で2件目の外回りに奔走しておりました。
一年の計は元旦にあり、などと申しますが、年末に洗車をすませたばかりなのに、今、雨に降られるなど、できすぎた年始でございます。

本厄の本気はまだまだこれからかと存じますところ、本年もどうかよろしくお願い申し上げます。
本当に、藁をもすがる思いで。

以上、取り急ぎ失礼いたします。

活かせない in vain

お世話になっております、大阪出張所の田坂でございます。

降水確率30%の昼下がり、ワタクシはと申しますと、間違いなく折り畳み傘を持参するタイプでございますし、なんとなく両生類っぽいので、こんな季節でも割と平気でございます。

先日のことでございました。

ワタクシがいつもより豪華な425円もするハンバーグ弁当を小粋にチンしておりましたところ、急に上司のお供でお取引先に出かけねばならない用事が入ってしまいました。

急いでおりましたので、外の小雨模様に気づかず、ワタクシも上司もバッグ一つで飛び出しました。
もっともワタクシは、折り畳み傘を持っておりますから、サッと取り出せば済む場面。しかし上司にはそんな手持ちがございません。

ワタクシはやむを得ず、タクシー乗車を具申する趣旨で、「雨も降っていますから」と切り出しましたところ、上司から出たのはまさかの「走るか?」発言。

ワタクシはまだ425円のハンバーグ弁当の消費税分さえ口にしていない、腹ペコげっそり丸状態。加えて、傘を持ってるのに雨の中ランニング。強まる雨足。効き過ぎた冷房の公共交通機関。下車。そしてランニング。到着。先方、不在。

見るからに体調が悪そうなワタクシを気遣い、先方が煎れてくださった温かい緑茶には、ただ空しく、茶柱が立っていたのでございました。

みなさま、ワタクシのことはよいので、どうぞ素敵な夏をお迎えくださいませ。

以上、取り急ぎ失礼いたします。

もしも透明人間になれたら

湿度出動中のところ恐れ入ります。大阪出張所の田坂でございます。

こう見えてワタクシ、それなりに堅い仕事をしておりまして、堅い出で立ちをしておりますところ、いわいるオフ会というものがあれば、ローゼンメイデン的な姿で颯爽と登場したいなどと思っております。捕まらない程度に。

さて、わりと無理をして生きている皆さまにおかれましては、透明人間に憧れることもあるものと存じます。
仮にワタクシであれば、このような生き様でございますため、あふれるばかりの反動にて、悪事の限りを働きたいと考えております。

大勢の人が集まるバスターミナルに出没し、老若男女の見境なく、それこそ無差別に、列を抜かしてみたり、
本来はワタクシのような者が立ち入れないような禁断の園にも現れ、堂々と覗き見などをたしなむことにより、塩せんべいの作り方を暗記してみたり、
そしてさらには、那覇に向かう飛行機にチェックイン前に乗り込み、あまつさえ、チケットと違う席に座ってしまうなど、自由自在でございましょう。

己の悪魔的才能が恐ろしく、ロックを高校までで卒業したことは正しい選択であったと思っております。

ちなみに尊敬するアーティストは嘉門達夫、得意の演目はタリラリランロックンロールでございました。

以上、取り急ぎ、失礼いたします。

アメリカと沖縄と大陸と私

大阪出張所の田坂でございます。

一昨年、広大な村営駐車場と無料駐車場と行き止まりという好立地に恵まれた、沖縄の某サンセットなホテルに滞在していた際のことでございました。

ワタクシは、近隣のアメリカ風味な施設にて、ちょっとした生理現象を処理しておりましたところ、出口あたりでよそ見をしていた現地の女子高生にぶつかってしまうというアクシデントに遭遇しました。

そのとき、当該女子高生の口から出た咄嗟の一言が「おうっ、そーりー」というひらがな英語。沖縄に根付くアメリカを感じた一幕でございました。

ちなみにワタクシ、一見明白にアジアな風体でございまして、台湾を旅行した際には、現地の奥様に地下鉄の行き先を台湾語で尋ねられたこともございます。
「すみません、私、日本人なんですけど」と日本語でお答えしたところ、その奥様、大笑いしながら台湾語で何かをおっしゃりつつ、ワタクシの背中をバシバシたたいたのでありました。

無論、ワタクシに台湾語を理解できるスキルはございませんが、わずかな瞬間、「あんた、どっから見ても、現地の人だよ!」と言っておられることを理解致しました。キュピーンという効果音と静電気っぽいエフェクトと共に。

ワタシ、日系の三世、日本語、ちょびっとネ!

以上、取り急ぎ、失礼いたします。

ゴム

向暑のみぎり、カレンダーどおりの祝日進行とは縁遠い方が、6月からのウェッティーシーズンにかけて、心すこやかに過ごせるものと存じます。
皆さまにおかれましては、人間万事、塞翁が馬でいらっしゃいますか?大阪出張所の田坂でございます。

唐突ではございますが、皆さま、ゴムについての思い出、ございますか?

まだまだ世の中がアナログ中心な世代に育ったワタクシどもといたしましては、ゴムは遊具の一つでございまして、中でも思いで深いのはゴム段でございます。

基本的には女子の遊技でございますが、実は「おとこ跳び」などという技(わざ)もございまして、男女混合でも十分遊べることは、もしかするとあまり知られていないかもしれません。

ワタクシが小学生のころ、クラスでゴム段がブームとなり、男子を中心に、大技への果てなきチャレンジがくり広げられていたものでございます。

中でも大技は、「側転跳び」でございまして、せいぜい「大阪跳び」が限界であったワタクシには、はるか遠い頂に、それは存在していました。

当時、その技を極めた男子は、クラスの中でも尊敬を集め、学級委員に選出されるための必須条件であるとさえいわれたため、運動音痴な優等生さえ、ゴム段にだけは、その先に甲子園があるかのような情熱を注いだものでございます。

しかしブームはやがて去り行くもの。まして、複数の小学校からの新入生を迎え入れた進学先の中学校では、根本的に文化が全く異なっております。
血のにじむような努力の結果、数多くのゴム段の技をマスターした優等生の彼は、中学1年の春、胸をはって「ぼくはゴム段が得意で、側転跳びも腰の高さまでできます!」とその能力をアピールして学級委員に立候補しましたところ、あえなく落選。失意のうちに3年間を過ごし、亀とウサギだけを友にして、表舞台から姿を消したと伝えきいております。

ちなみに、亀は恐竜に近い生き物ですが、ウサギは思ったほどリスに近くありませんので、ご参考になれば幸いです。

以上、取り急ぎ失礼いたします。