ゴム

向暑のみぎり、カレンダーどおりの祝日進行とは縁遠い方が、6月からのウェッティーシーズンにかけて、心すこやかに過ごせるものと存じます。
皆さまにおかれましては、人間万事、塞翁が馬でいらっしゃいますか?大阪出張所の田坂でございます。

唐突ではございますが、皆さま、ゴムについての思い出、ございますか?

まだまだ世の中がアナログ中心な世代に育ったワタクシどもといたしましては、ゴムは遊具の一つでございまして、中でも思いで深いのはゴム段でございます。

基本的には女子の遊技でございますが、実は「おとこ跳び」などという技(わざ)もございまして、男女混合でも十分遊べることは、もしかするとあまり知られていないかもしれません。

ワタクシが小学生のころ、クラスでゴム段がブームとなり、男子を中心に、大技への果てなきチャレンジがくり広げられていたものでございます。

中でも大技は、「側転跳び」でございまして、せいぜい「大阪跳び」が限界であったワタクシには、はるか遠い頂に、それは存在していました。

当時、その技を極めた男子は、クラスの中でも尊敬を集め、学級委員に選出されるための必須条件であるとさえいわれたため、運動音痴な優等生さえ、ゴム段にだけは、その先に甲子園があるかのような情熱を注いだものでございます。

しかしブームはやがて去り行くもの。まして、複数の小学校からの新入生を迎え入れた進学先の中学校では、根本的に文化が全く異なっております。
血のにじむような努力の結果、数多くのゴム段の技をマスターした優等生の彼は、中学1年の春、胸をはって「ぼくはゴム段が得意で、側転跳びも腰の高さまでできます!」とその能力をアピールして学級委員に立候補しましたところ、あえなく落選。失意のうちに3年間を過ごし、亀とウサギだけを友にして、表舞台から姿を消したと伝えきいております。

ちなみに、亀は恐竜に近い生き物ですが、ウサギは思ったほどリスに近くありませんので、ご参考になれば幸いです。

以上、取り急ぎ失礼いたします。