大阪出張所の田坂でございます。

器をはかる場合には、その大きさばかりが問題にされ、形を問われることは、まずございません。

なるほど多くの器は、機能性と合理性を重視した、汎用性の高い形状を致しております。しかしながら、時にはイメージやデザイン性を重視し、その姿で人の心を魅了する逸品のございます。

あれは就学前であった娘を連れて、家族で千葉県某市の巨大テーマパークへ出かけたときのことでございました。

園内にあるハートの女王のレストランにて、ちょっとしたケーキのついたセットを注文した際、ハート型をしたカップが出て参りまして、気に入ればそのまま持って帰ってもよい、とのこと。

見るからに非実用的ですが、どうしても持って帰りたいと駄々をこねるもので、やむなく我が家の食器棚へ。そして案の定、使い勝手が悪いので、ほどなく使われなくなってしっまいました。

しかしここは、躾が必要な場面。自分の行動に責任を持たせるべく、あえて味噌汁茶碗がわりに使用して演出する、和食イン・ワンダーランド。その効果には絶大なものがございました。

娘には未だに、アリスのカップで味噌汁をすする、当職のみすぼらしい姿が忘れられないようでございます。

申し遅れましたが、躾を入れられたのは、当職でございます。

以上、取り急ぎ、失礼いたします。