21世紀にはだまされないぞ

お忙しいところ恐れ入ります。大阪出張所の田坂でございます。

近ごろ、兄弟で宇宙飛行士として月面に立つことを目指す、とある宇宙的なブラザーストーリーが人気を博しておりますところ、ワタクシども昭和世代におきましては、そろそろ伊丹発月面行きの飛行機型ロケットが就航していても良いころではないか、などと思わずにはおれません。

そんな科学万能主義の下に生まれ育ったみなさまにおかれましても、多かれ少なかれ、「21世紀の未来はこうなる」的な想像をめぐらせたものでございませんでしょうか。

キーワードは、「人類の進歩と調和〜宇宙の力を100Vに変えて〜」でございます。スパーク一発やり逃げ。

どうかするとポケベルさえも通じない世代にはご理解頂けないかもしれません。

とにもかくにも、ワタクシどもが想像した21世紀といえば、なんかこう流線型に銀色で、人々はみな、ピクミンストレッチマンのような洋服に身を包んでいたものなのでございます。

いかがでしょう、そんな未来。

引っこ抜かれて〜、投げら〜れて、飛ば〜され〜て〜、今日もこの〜へんに〜ストレッチパワーがたまって〜きた〜だろぉう?

時代と時代が一直線ではなくて、ホントによかったではございませんか。

ボディコン大流行だったあの時代など、振り返ればかなりヤバかったのかもしれません。あるいはワンレンの前髪をケープスプレー缶で固めて作った鳥の巣状の何かなど。

しかしながら、朝晩はまだ肌寒いこの季節、ほんのわずか、出勤前の着替中に、その姿を鏡で一瞥するだけで、あの未来が目の前にやって来ることにみなさますでにお気づきでしょうか。

上下ともにヒートテックに身を包んだその勇姿。それこそまさしく、20世紀に描かれた未来人そのものでございます。

藤子不二雄に伝えたいこの温もり。

しかし世界は、赤塚不二夫の方に向かって進んでいるのかもしれません。

これで、いいのだ。

以上、取り急ぎ、失礼いたします。