人外の力を感じる

田坂は割とよく移動をする人でして、前世はもしかするとリョコウバトだったのかもしれないと、常々思っております。嗚呼、絶滅が恨めしい。身が美味かったばっかりに、こんな悲劇。

まあ、オフィスに閉じこもりきりよりは、外をウロウロできるのは、わりと幸せだと思ってはいます。ですが、鳩は巣から遠く離されると、早く帰りたくて仕方がなくなるそうで、田坂の月曜朝の第一声が「はやく帰りたいなあ」なのはそのせいなのです。

だいたい、行きは良いのです。乗換案内をサイバーに駆使して、「ナヴィタァイム!」のかけ声とともに、現地で30分は迷える余裕で行動していますから。

問題は帰り。あと3分早ければ、あと1時間早く帰れたのに、ということがよくあるんです。

こんなとき、自由に高速長距離移動できるアイテムがあればなぁ、と思うこと3年。田坂は先ごろ、クルマを買ったのです。左翼なのに、私有財産を肯定して、あまつさえ環境問題を省みない非エコカーをです。しかも、ゴールド免許のペーパードライバーにして、地図はくるくる回すタイプ。そんな人がクルマに乗るなど、地球のことよりいろいろな命のことを先に考えるべき場合です。

練習しなきゃうまくならないけれど、うまくないのに練習したら危ない。ややこしや。

かくて、
勇気をふりしぼり、そこいらをぐるりと動かしましたら、納車3週間目に歩道の安全柵にドーン!ガリーン!と相成りました。

中古で150万のクルマが、今、90万をかけて修理中です。

そんなことぐらいでは負けません。